交換留学という言葉は聞いたことがあるけれど、どんな制度なのか、情報が少なく悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、私自身の交換留学経験も踏まえながら、交換留学の基本からメリット・デメリット、費用、そして成功のための秘訣まで細かく解説します。ぜひ最後まで読んでみてください。
交換留学とはそもそもどんな制度?
交換留学は、日本の大学に在籍しながら海外の提携校で学ぶ留学プログラムです。
一般的な私費留学とは異なり、日本の大学の学生としての身分を保持したまま留学できる点が大きな特徴です。
交換留学とは所属大学と協定校で行く留学のこと
交換留学とは、在籍している日本の大学が海外の大学と学術交流協定を結んでいる場合に利用できる留学制度です。
この制度を利用すると、日本の大学に授業料を支払いながら、提携先の海外大学で学ぶことができます。
留学期間中も日本の大学に在籍扱いとなるため、休学する必要がなく、卒業時期が遅れる心配も少ないのが特徴です。

私自身もこの制度を利用して留学しましたが、日本の大学と海外の大学、双方のサポートを受けられるのは大きな安心感につながりました。
交換留学と認定留学・私費留学・語学留学との違い
留学には交換留学以外にも、認定留学、私費留学、語学留学などさまざまな選択肢があります。それぞれの特徴を以下の表で比較してみましょう。
留学の種類 | 概要 | 費用(授業料) | 日本の大学の在籍 | 単位認定 | 自由度 |
交換留学 | 所属大学と協定を結んでいる海外大学で学ぶ。 | 日本の大学に支払い、留学先は免除されることが多い | 継続 | 可能 | 低い |
認定留学 | 個人で留学先を探し、日本の大学に留学期間を認定してもらう。 | 日本の大学と留学先の大学双方に支払い | 継続 | 可能 | 中程度 |
私費留学 | 日本の大学を休学・退学し、個人で海外の大学・専門学校に進学。 | 留学先の教育機関に直接支払い | なし(休学・退学) | なし | 高い |
語学留学 | 語学力の向上を目的とし、語学学校に通う。 | 語学学校に支払い | なし(休学・退学) | なし | 高い |
交換留学で留学できる期間はどのくらい?
交換留学の期間は、大学と提携校の協定によって異なりますが、一般的には半年から1年間が主流です。
比較的短期間で現地の大学生活を体験できるのが魅力で、日本の大学の学期と連動していることが多いため、スムーズに学業を継続しやすいというメリットがあります。
交換留学だからこその魅力!知っておきたい6つのメリット
交換留学は、費用面だけでなく、学業やキャリアの観点でもさまざまなメリットがあります。
メリット1:授業料免除で留学費用を大幅に抑えられる
交換留学の最大の魅力の一つは、留学費用を大幅に抑えられる可能性があることです。
多くの場合、日本の所属大学に授業料を支払いながら、留学先の提携校の授業料が免除される仕組みになっています。
私費留学で海外の大学に直接授業料を支払う場合と比較すると、数十万円から数百万円単位で費用を節約できる可能性があります。
メリット2:4年での大学卒業も可能!日本の大学の単位認定制度
「留学すると卒業が遅れるのでは?」と心配する人もいますが、交換留学ではその心配が少ないです。
留学先で取得した単位を日本の大学の単位として認定してもらえる制度が整っているため、留学期間を含めて4年での卒業を目指すことが可能です。
事前に日本の大学の国際センターの方に相談し、どの科目の単位が認定されるのか、何単位まで認定可能かなどを確認しておくことが重要です。

私は4年で卒業できました。単位認定を得るには日本の大学で専攻している学問の授業を受けることがポイントです。
メリット3:日本の大学に相談できる
交換留学は、日本の大学が間に入ってくれるため、何か不安なことがあったら日本の大学の国際センターに相談できます。
留学先の大学との連絡調整、保険の案内など、さまざまな面で日本の大学が支援してくれます。
また、過去に自分の大学からその大学へ交換留学をした人の体験談などを直接聞くことができるのも大きな魅力です。
メリット4:難関大学への留学も夢じゃない!提携校の選択肢
私費留学では入学が難しいとされるような海外の難関大学や有名大学に留学できるチャンスがあるのも交換留学の魅力です。
日本の大学が長年にわたって築いてきた提携関係により、個人の力だけではアクセスしにくい教育機関で学ぶ機会を得られます。
もちろん学内選考を通過する必要がありますが、このような貴重な経験ができるのは交換留学ならではです。
自身の専門分野で評価の高い大学へ行ける可能性も広がります。
メリット5:専門分野を深めることができる
交換留学は、語学力向上だけでなく、自身の専門分野をより深く学ぶことができます。
留学先の大学では、日本の大学とは異なる視点や研究アプローチに触れることができ、学術的な知見を広げられます。

私の選考は国際ビジネスでした。今まで日本人の視点でしか学んでいませんでしたが、他の国の学生と意見を交換することで、より幅広いビジネスの考え方を知ることができました。
メリット6:日本人以外の友達を作りやすい
交換留学は、多様な国籍の学生が集まる環境で学ぶため、日本人以外の友達を作りやすいのも特徴です。
語学学校と異なり、現地の学生が多く在籍する大学生活を送ることで、日常的に英語を使い、異なる文化背景を持つ人々と深く交流する機会が増えます。
また、交換留学生限定のイベントやプログラムがあることも多く、正規生や認定留学生として学校に所属するよりも他の生徒との交流の場が多い場合があります。

私自身も交換留学中に世界各国から来た友達ができ、今でも交流が続いています。
交換留学は大変?乗り越えるべき5つのデメリット
多くの魅力がある交換留学ですが、成功させるためには、事前にデメリットも理解し、それらを乗り越えるための準備が不可欠です。
デメリット1:学内選考は狭き門?競争率の高い選考を突破する方法
交換留学は非常に人気が高く、応募者多数のため、所属大学内で厳しい学内選考を突破する必要があります。
選考基準は大学によって異なりますが、一般的には高いGPA(成績評価点)、語学力(TOEFLやIELTSのスコア)、そして明確な留学目的や志望理由が求められます。
選考対策として、日頃から真面目に授業に取り組み良い成績を維持すること、早めに語学試験の対策を始めること、そしてなぜ交換留学に行きたいのか、そこで何を学びたいのかを具体的に言語化しておくことが重要です。
デメリット2:行きたい大学・専攻を選べない可能性もある
交換留学は、所属大学が提携している海外の大学の中からしか選択できません。
そのため、特定の国や都市、あるいは有名大学の特定の専攻に行きたいという強い希望がある場合、その希望が叶わない可能性があります。

提携校の中にも魅力的な大学はたくさんあります。
多様な選択肢の中から、自身の学びに合った場所を見つける柔軟な姿勢も大切です。
デメリット3:求められる高い英語基準
交換留学には、TOEFL iBT 80点以上やIELTS 6.0以上といった、比較的高い語学力基準が設けられていることが多いです。これは、現地の大学で専門科目を英語で学ぶために必要不可欠なレベルだからです。
単に日常会話ができるだけでなく、学術的な英語を理解し、議論できる能力が求められます。
デメリット4:卒業時期が遅れる可能性も?単位移行の注意点
日本の大学の単位として認定されるとはいえ、留学先の大学の授業時間や内容によっては、単位移行がスムーズにいかず、結果的に卒業時期が遅れてしまう可能性もゼロではありません。
特に、日本の大学の卒業要件を満たすために必要な必修科目や専門科目の単位を、留学先で確実に取得・認定できるかどうかの事前確認が非常に重要です。
デメリット5:現地の授業への適応能力が求められる
海外の大学では、日本の大学とは授業の形式や学習方法が大きく異なる場合があります。
例えば、グループワークやディスカッションが中心だったり、膨大な量の課題や読書が課されたりすることもあります。

日本の受動的な学習スタイルに慣れていると、最初は戸惑うかもしれません。
現地の学習スタイルに適応するための柔軟性や、困難に直面しても諦めずに乗り越える力が必要です。
交換留学にかかる費用と費用を抑える工夫
交換留学は私費留学と比べて費用を抑えやすいですが、それでもまとまったお金は必要になります。
授業料以外にかかる費用
交換留学では多くの場合、留学先の授業料が免除されますが、それ以外の費用は自己負担となります。主な内訳は以下の通りです。
・渡航費:航空券代。時期や目的地によって大きく変動します。 ・滞在費:住居費(寮費、家賃)、食費、光熱費など。都市によって生活費は大きく異なります。 ・保険料:海外留学保険への加入が必須となるケースがほとんどです。 ・ビザ申請費用:留学先の国によって必要です。 ・教材費:教科書や参考書代。 ・雑費:交通費、通信費、交際費、観光費など。 |
これらの費用を合計すると、半年で50万円~200万円、1年間で100万円~400万円程度が目安となることが多いです。
奨学金制度を活用して費用を抑えることもできる
経済的な不安を軽減するためには、奨学金制度の活用が非常に有効です。
・所属大学の奨学金 交換留学生向けの独自の奨学金制度を設けている大学が多くあります。 ・日本学生支援機構(JASSO)の奨学金 海外留学支援制度(協定派遣)など、交換留学生向けの奨学金があります。 ・民間団体や地方自治体の奨学金 留学を支援するさまざまな団体や自治体が奨学金を提供しています。 |

私自身も奨学金を受給しながら留学生活を送ることができました。とにかく自分が応募資格を満たしている奨学金は申し込んでみるのがいいと思います。
アルバイトはできる?留学中の生活費をまかなう方法
留学先の国によっては、学生ビザでアルバイトが許可されている場合があります。
例えば、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなどでは、フルタイム学生であれば制限付きで就労が可能です。
アルバイトをすることで、生活費の一部をまかなえるだけでなく、現地での貴重な就労経験も積むことができます。ただし、学業が本分であることを忘れず、アルバイトに時間を取られすぎないよう注意しましょう。
交換留学を実現するために!今からできる準備とステップ
交換留学は、思い立ったらすぐに行けるものではありません。計画的に準備を進めることが大事です。
ステップ1:大学の国際交流センターで情報収集を始める
交換留学を検討し始めたら、まず最初に所属大学の国際センターや留学担当部署を訪れましょう。
ここでしか得られない募集要項、提携校リスト、過去の留学体験談、説明会情報など、最新かつ正確な情報を手に入れることができます。
ステップ2:語学力(TOEFL/IELTS)対策
多くの大学でTOEFL iBTやIELTSのスコア提出が求められます。目標スコアを設定し、計画的に学習を進めましょう。
ステップ3:学内選考の準備!成績維持と志望理由対策
語学力だけでなく、日本の大学での学業成績(GPA)や日本で取得した単位も選考において非常に重要です。
良い成績を維持するだけでなく、留学先でレベルの高い授業を取ることができるように、基礎科目は日本の大学でとっておくことをお勧めします。
また、なぜ交換留学に行きたいのか、留学先で何を学びたいのか、帰国後どう活かしたいのかを明確にした志望理由書の作成も重要です。

私の大学では英語での面接もありました。自分の思いを英語でしっかりと伝えられるように練習しました。
ステップ4:合格後の手続きは?渡航準備から出発まで
学内選考に合格したら、いよいよ本格的な渡航準備が始まります。
・留学先大学への出願手続き:必要書類の提出や入学許可証の取得。 ・ビザ申請:留学先の国の大使館や領事館でビザを申請。 ・航空券・海外留学保険の手配:早めに手配することで費用を抑えられることも。 ・滞在先の手配:寮、ホームステイ、シェアハウスなど。 ・現地での支払い準備: 銀行口座開設やクレジットカード発行など。 |
ここに列挙した以外にもたくさん準備することがあります。とにかく後回しにせず、やるべきことを明確にしながら計画的に準備しましょう。
交換留学の成功は自分次第!留学生活を最大限に楽しむ秘訣
交換留学は日本の大学や現地の大学からのサポートを受けることができる魅力があります。
しかし、受動的になり過ぎてしまっては得られるものは少ないと思います。
留学生活を成功させるためには、成功させるために自分で動くことがとても大事です。
とにかく調べる・事前準備を徹底する
留学先での生活をスムーズにするためには、渡航前の徹底した情報収集と準備が欠かせません。
例えば、利用できる奨学金は早めに申請を始めるのが鉄則です。中には出願期間が非常に早いものもあり、後から「こんな奨学金があったのに!」と後悔しないためにも、所属大学の国際交流センター各団体の情報を定期的にチェックしましょう。
また、留学先の大学によっては、寮の申し込み期限が早く設定されていたり、人気の専攻はすぐに定員に達してしまったりすることがあります。
知らないことで損をしないよう、とにかく早めに行動を起こし、情報収集を徹底しましょう。
留学の目的を明確にする
「なぜ交換留学に来たのか」という留学の目的を明確にしましょう。
語学力向上なのか、専門分野の学習なのか、異文化理解なのか。目的がはっきりしていれば、日々の行動や時間の使い方が決まります。

私は、英語力の向上と、毎日思い出を作ることを目的とし、毎日欠かさずに英語で日記を書きました。
そうすることで自然と、日記で何か書くために誰かと話したり、自分の思いを英語で伝えられるように勉強したりするようになりました。
積極的に友達を作る
留学生活を最大限に楽しむためには、積極的に友達を作ることが何よりも大切です。
クラスメイトやルームメイトはもちろん、地域のイベントに参加するなど、交流の場に飛び込みましょう。
自分とは全く異なる文化や価値観を持つ友達と関わることで、将来に対する考え方や本当にやりたいことが見つかる可能性があります。
留学しない人には決して経験できない、新たな視点や価値観との出会いは、人生を大きく豊かにしてくれるはずです。
最初は勇気がいりますが、自分から話しかけることで、きっと素敵な出会いが生まれます。
まとめ
交換留学は、日本の大学に在籍しながら海外の提携校で学ぶ、費用面でも学術面でも魅力的な留学制度です。
お金さえ払えば行ける他の留学制度と異なり、交換留学は準備や選考が大変だからこそ、いざ留学が実現した時の喜びはかけがえのないものです。

私自身、帰国子女でもなければ、長期留学経験者でもないですが、交換留学を実現させることができました。「自分には無理」と諦めるのではなく、たくさん調べて早め早めの準備をして、後悔のないようにチャレンジしてみてくださいね。
交換留学に関するよくある質問
- Q交換留学に行くにはどんな英語の資格が必要になりますか?
- A
一般的にはTOEFL iBT(80点以上が目安)やIELTS(6.0~6.5以上が目安)のスコア提出が求められます。
大学や留学先によって必要なスコアは異なるため、必ず募集要項で確認しましょう。
- Q交換留学の選考で落ちてしまうのはどんな学生が多いですか?
- A
学業成績が基準に満たない、語学力スコアが足りない、留学目的や志望理由が不明確、面接でのコミュニケーション能力が不足しているといった点が主な理由で選考から漏れることがあります。
交換留学の枠は少ないため、とにかくしっかり準備をして自信を持って選考に臨みましょう。
- Q交換留学中の勉強はどのくらい大変ですか?
- A
現地の大学の授業は、日本の大学と比べてディスカッションや課題が多く、主体的な学習が求められるため、かなりの努力が必要です。
予習・復習を徹底し、わからないことは積極的に質問するようにしましょう。
- Q交換留学と認定留学ではどちらが費用を安く抑えられますか?
- A
多くの場合、交換留学の方が費用を安く抑えられます。
交換留学では所属大学に授業料を払うことで留学先の授業料が免除されるケースが多いのに対し、認定留学では日本の大学と留学先の大学双方に授業料を払うのが一般的です。
- Q交換留学先での友達の作り方に何かコツはありますか?
- A
授業で積極的に発言したり、グループワークで自ら声をかけたり、大学のイベントに積極的に参加することがおすすめです。
最初は勇気がいりますが、自分からオープンに接することで、自然と友達は増えていきます。