「楓（カエデ）の花言葉には、怖い意味がある」とどこかで聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれません。
この記事では、楓の正しい花言葉と、なぜ「怖い」というイメージが広まってしまったのかについて解説します。
楓（カエデ）の花言葉に怖い意味があるのは本当？
「楓の花言葉」と調べると、関連語に「怖い」という言葉が出てきて不安になった方もいるかもしれません。
楓の花言葉に怖い意味は一切ありません
楓（カエデ）が持つ正式な花言葉の中に、怖い意味やネガティブな意味合いを持つものは一切存在しません。
むしろ、楓が持つ花言葉は、その美しい紅葉のように、人生や状況のポジティブな変化を象徴する、温かさや優しさに満ちたものばかりです。
なぜ「怖い」というイメージが広まってしまったのでしょうか？
楓の花言葉に怖い意味がないにもかかわらず、「怖い」というイメージが広まってしまったのはなぜでしょうか。
それは、人気ロックバンド・スピッツさんの楽曲「楓」が関係していると言われています。
この曲は、大切な人との別れを歌った、幅広い世代に人気の高いバラードです。
曲のタイトルが「楓」であることから、「楓の花言葉には、この曲の歌詞が連想させるような、悲しい、あるいは怖いといったマイナスの意味があるのではないか」という誤解が広まってしまったのかもしれませんね。
この名曲、「楓」を原案とした行定勲監督による映画『楓』が2025年12月19日に全国公開されます。
この映画は、大切な人を失った男女の別れと再生を描くラブストーリーであり、楓の花言葉を物語の核に据えているものですので、ぜひ見てみてくださいね。
楓が持つポジティブな花言葉と由来を詳しくご紹介
ここでは、楓が持つ具体的な花言葉をご紹介します。
「美しい変化」
楓の最大の特徴といえば、春の青葉から秋に見事な赤や黄色へと色を変える「紅葉（こうよう）」です。
この色の変化は、人生における大きな転機や成長、そして美しく変貌していく未来を象徴しています。
「大切な思い出」
楓は丈夫で長寿な樹木であり、古くから庭木や街路樹として人々に親しまれてきました。
その存在は、家族の歴史や、友人と共に過ごした時間、そして旅の記憶など、過去の「大切な思い出」を象徴しています。
「調和」
手のひらのような形をした楓の葉は、まるで家族や友人が手を取り合っているかのように見えます。
また、楓が周囲の木々と共に織りなす紅葉の景色は、自然界の「調和」の美しさを教えてくれます。
「遠慮」
「遠慮」という花言葉は、少しネガティブに聞こえるかもしれませんが、これは「謙虚さ」や「慎み深さ」といった、日本人が古くから大切にしてきた美徳を指しています。
楓の小さな花は、葉が茂る前にひっそりと咲き、目立たない姿をしています。
その控えめな様子が、この花言葉の由来です。
楓の基礎知識：花の咲く時期や特徴、名前の由来は？
| ・科名：ムクロジ科（旧カエデ科） ・属名：カエデ属 ・原産地：東アジア、北米、ヨーロッパなど ・開花時期：4月〜6月頃 ・紅葉時期：10月〜12月頃 ・英語名：Maple（メイプル） |
楓という名前の由来と込められた意味について
「楓（カエデ）」という名前の由来には、いくつかの説があります。
最も有力な説は、葉の形が「蝦蟇（かえる）の手」に似ていることから、「かえるで」と呼ばれ、それが転じて「カエデ」になったというものです。
楓（カエデ）と紅葉（モミジ）の違いは何ですか？
「カエデ」と「モミジ」は、どちらも秋になると美しく色づく葉を持つ植物ですが、その違いについて明確に理解している方は少ないかもしれません。
植物学上の違いはなく総称が「カエデ」です
植物学的な観点から見ると、カエデ（楓）とモミジ（紅葉）に明確な違いはありません。
つまり、モミジはカエデの仲間であり、より大きな分類であるカエデ属（Acer）に属する全ての植物の総称が「カエデ」です。
したがって、「カエデ」という言葉は、手のひらのような形をした葉を持ち、秋に色づく特性を持つ、ムクロジ科カエデ属の植物全体を指します。
日本でよく見られるイロハモミジやオオモミジなども、植物学上はカエデの一種ということですね。
種類別・色別・英語で見る楓（カエデ）の奥深い花言葉
楓（カエデ）は非常に多くの種類があり、また、紅葉の色によっても、異なるメッセージを持つことがあります。
種類別：楓を代表する品種の花言葉
カエデ属には世界中に100種類以上の品種があり、それぞれに独自の魅力があります。
| 品種名 | 特徴 | 花言葉 |
| イロハモミジ | 日本を代表するモミジ。切れ込みが深く、紅葉が鮮やか。 | 「大切な思い出」「美しい変化」 |
| ハウチワカエデ | 葉が大きく、団扇（うちわ）のような形をしている。 | 「遠慮」「つつしみ」 |
| トウカエデ（唐楓） | 葉が三裂し、街路樹としても用いられる。丈夫で育てやすい。 | 「遠慮」 |
| サトウカエデ | カナダの国旗にも描かれ、メープルシロップの原料となる。 | 「高潔」「約束」 |
紅葉の色で意味が違う？色別に見る楓の花言葉
楓の花言葉は、一般的に「美しい変化」など共通のものが多いですが、その葉が色づく「紅葉の色」に注目すると、より深い意味を読み取ることができます。
- 赤（紅葉）の楓：燃えるような赤色は、「情熱的な変化」や「強い決意」を象徴します。
- 黄（黄葉）の楓：黄金色に輝く黄色は、「希望」や「豊かさ」、「知恵」を象徴します。
- 緑（青葉）の楓：夏の間、青々とした緑色の葉は、「成長」や「生命力」、「調和」を象徴します。
楓（カエデ）はいつの誕生花？贈り物に最適な季節は？
一般的に、楓（カエデ）は9月20日、11月24日、11月28日などの誕生花として知られています。
特に秋に誕生花となることが多いのは、楓が最も美しく、その存在感を放つ紅葉の季節と重なるためです。
贈り物に最適な季節は、やはり秋（10月〜11月）です。
鮮やかに色づいた紅葉は、見る人に感動を与え、「大切な思い出」や「美しい変化」といった花言葉を視覚的に伝えることができます。
まとめ
この記事では、楓が持つ真のメッセージをご紹介しました。
楓の花言葉に怖い意味は一切ありません。
楓が持つ花言葉は、「美しい変化」「大切な思い出」「調和」「遠慮」などポジティブなメッセージばかりです。
スピッツさんの名曲「楓」を題材にした映画も2025年12月に公開されますので、ぜひ見てみてくださいね。
楓（カエデ）の花言葉に関するよくある質問
- Q楓の葉が赤や黄色に変わる「紅葉」にはどのような意味が込められていますか？
- A
楓の紅葉は、植物が厳しい冬を乗り越えるために行う、生命活動の「完成」と「再生への準備」を意味します。
花言葉でいえば、「美しい変化」や「大切な思い出」を象徴します。
- Qカナダの国旗にある楓の葉にはどのような願いや意味が込められているのでしょうか？
- A
カナダの国旗に描かれているのは、サトウカエデの葉をモチーフにした「メープルリーフ」です。
これは、カナダ全土に自生する楓の「強靭さ」と、多文化社会における「平和」と「調和」の願いが込められています。
- Q楓を自宅で育てる場合、縁起の良い場所や風水的な意味合いはあるのでしょうか？
- A
楓は、陽の気を持ち、「成長」や「発展」をもたらす縁起の良い木とされています。
自宅で育てる場合は、旺盛な気の流れを生み出す東や南東の方向に植えると、運気の流れが良くなると言われています。
- Q楓（カエデ）を贈る際に、受け取った相手に誤解を与えないための注意点はありますか？
- A
楓はポジティブな花言葉を持つため、基本的に誤解の心配はありません。
しかし、念のためポジティブな花言葉を伝えると、より気持ちが伝わりやすくなります。
- Q楓と似ている植物で、花言葉に怖い意味を持つものはありますか？違いを教えてください。
- A
楓の葉に似た植物として、「カシワバアジサイ」がありますが、特に怖い花言葉は確認されていません。
しかし、楓の紅葉の色が連想されやすい「ヒガンバナ」や「アザミ」などは、怖い意味やネガティブな花言葉を持つことがあります。