カナダ・ブリティッシュコロンビア州の州都であるビクトリアは、美しい景観と穏やかな気候で、観光はもちろん、留学先やワーキングホリデー先としてもとてもおすすめの場所です。
しかし、バンクーバーと比べて生活、交通に関する情報が少なく、不安に感じる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、ビクトリアのバス(BC Transit)を初めて利用する方でも安心できるよう、料金体系、乗車・降車の手順から、知っておくべき注意点まで、詳しく解説します。
ビクトリアのバス(BC Transit)とは?
ビクトリアのバスは、ブリティッシュコロンビア州全体で公共交通サービスを提供する「BC Transit」の一部として、主にビクトリア地域内で運行されています。
BC Transitの基本情報
BC Transitは、ビクトリア市内のダウンタウンから、サニッチ(Saanich)やオークベイ(Oak Bay)などの周辺地域まで運行しているバスです。
多くのバスに「NextRide」という技術が導入されており、車内のデジタルディスプレイで次の停留所が視覚的に表示され、自動音声アナウンスも流れます。
乗車前に知るべき日本のバスとの違い(マナー・運行時間など)
ビクトリアでは、原則前方のドアから乗車し、乗車時に運賃を支払います。
現金の場合、お釣りは出ません。必ず$3.00ぴったりのコインを用意してください。
※最新のUmoアプリまたはUmoカード(後述)を使えば、現金の用意が不要でスムーズです。
また、乗車時と降車時に、運転手さんへ「Hi」や「Thank you!」と挨拶を交わすのが一般的なマナーです。

日本のバスでは、運転手さんへ挨拶をする文化があまりないため、このカナダの文化が素敵だと感じました。
ビクトリアのバス運賃とチケットの種類を解説
ここからは、バスの運賃について解説します。
バスの基本運賃(大人・学生)と乗り換えについて
ビクトリアのバス運賃は、利用形態に応じていくつか種類があります。
1回乗車(Single Ride)
運賃:$3.00(大人・学生共通)
現金またはUmoのキャッシュ残高で支払うことができます。
デイパス(DayPASS)
運賃:$6.00
1日乗り放題のチケットです。1日のうちに2回以上乗車する可能性がある方は、デイパスの購入がお得になります。(Umo利用の場合、自動でデイパスに切り替わります。)
マンスリーパス(30-Day Pass)
運賃:大人(Adult): $85.00・割引(Concession): $45.00(18歳以下、65歳以上の方が対象)
1ヶ月間乗り放題で、毎日の通学・通勤でバスを利用する皆さまに最適です。
キッズ料金
運賃:無料
12歳以下のお子さまは無料で乗車できます。
学割はある?
ビクトリアの特定の高等教育機関に在籍する学生の皆さまには、学割制度として「U-PASS(ユーパス)」が提供されています。
U-PASSは、学生の方が在学期間中、ビクトリアの地域交通サービスを無制限に利用できるパスです。通常、その費用は学費の一部として含まれています。
主な対象校
- University of Victoria (UVic)
- Camosun College
- Royal Roads University

私は交換留学生でしたが、U-PASSを利用することができました。手続きは学校で済ませることができました。
運賃の支払い方法
ビクトリアのバスでは、以下の方法で運賃を支払うことができます。
現金で支払う際の注意点(お釣りは出ない!)
現金($3.00)で運賃を支払う場合は、お釣りが一切出ないことに注意が必要です。必ず$3.00ぴったりのコインを用意してから乗車しましょう。
支払いは、乗車時に運転席の横にある運賃箱(Farebox)の指定された投入口に、運賃を入れます。
紙のデイパス
現金でデイパス($6.00)を購入する場合も、運転手さんに「DayPASS, please」と伝えてからちょうどの金額を運賃箱に入れ、紙のパスを受け取ります。
【新システム】アプリ・カード「Umo」
「Umo(ユモ)」は、ビクトリアを含むBC州の多くの地域で導入されている最新のキャッシュレス運賃支払いシステムです。
Umo Mobilityアプリまたは、Umoカードを選んで使用することができ、日本のPASMOやSuicaのように利用ができます。
Umoの詳しい情報は下記の記事でご紹介いたしますので、ぜひご覧ください。
ビクトリアのバスの乗り方・降り方

日本のバスと少し違うので、事前に確認しておきましょう。
バス停での正しい乗り方
乗りたいバスが近づいてきたら、運転手さんにはっきりと手を挙げて乗車の意思を伝えます。

手を挙げないとバスが停まってくれないことがあります。特に夜など、運転手さんから見えにくい場合は、スマホのライトを使用するなど気づいてもらう工夫をしましょう。
ドアが開いたら、前方のドアから乗車します。乗車時、「Hi」や「Good morning」などと運転手さんに軽く挨拶を交わすのがマナーです。
運賃は乗車時に支払います。
・現金の場合は、運賃箱にちょうどの金額を入れます。
・Umoの場合は読み取り機にアプリのQRコードをスキャンするか、カードをタップします。
・紙のパスの場合は運転手さんに見せます。
降車合図の出し方と後ろの扉からの下車手順
目的地が近づいたら、窓の上や横にある黄色い紐(ひも)を引っ張るか、「Stop Request」ボタンを押して降車の合図を出します。
バスが完全に停止した後、後ろの扉から降車するのが一般的です。ドアの開閉ボタンやバーに触れるとドアが開くタイプのバスもあります。

降りる際、「Thank you!」と運転手さんに一言感謝の言葉を伝えるのがカナダ流のマナーです。
ビクトリアでのバス利用を快適にするためのアプリ
ビクトリアのバス利用には、リアルタイム情報が確認できるアプリの活用が不可欠です。
Googleマップ
Googleマップでも、目的地のルート検索時にバスの到着予定時刻やリアルタイムの位置情報が表示されます。
Transit App
BC Transitが公認しているアプリです。リアルタイムのバス追跡、到着予定時刻の表示、ルート検索などができます。
Umo Mobility App
運賃の支払いだけでなく、乗換案内機能も搭載されており、これ一つで支払とルート検索を完結させることも可能です。
乗り過ごし防止!車内アナウンスがない場合の目的地確認のコツ
バスの中には、アナウンスが聞き取りにくい場合や、故障でアナウンスがない場合があります。
Googleマップで現在地を追跡し、バスの動きに合わせて地図上で目的地を確認しましょう。
また、乗車前に、目的地のバス停や周辺の風景をGoogleマップのストリートビューで確認しておくと、実際の場所が分かりやすくなります。

バスは日本のバスよりも揺れやすいです。マップを見過ぎて車酔いをしてしまわないように、気をつけましょう。
ビクトリアのバス利用で知っておくべき注意点
ここからは、ビクトリアのバスを利用する上での注意点についてご説明します。
時間通りに来ない?カナダのバス事情
カナダのバスは、日本のバスのように分刻みで正確に来るとは限りません。交通状況や天候により、遅延することも頻繁にあります。
そのため、スケジュール表だけでなく、アプリでリアルタイムのバスの位置を確認する習慣をつけましょう。
また、特に重要な予定がある場合は、20〜30分程度の余裕を持って移動することをおすすめします。
緊急時や深夜の移動手段(タクシー・Uber)
ビクトリアのバスの運行時間は、平日と週末で異なり、深夜は運行していません。
運行時間は、BC Transitの公式サイトやGoogleマップで確認できます。最終バスの時間を必ずチェックしておきましょう。
最終バスを逃した場合や、治安に不安がある深夜の移動には、タクシーまたはUberといった他の移動手段も検討しましょう。

たとえば、ダウンタウンのモール「The Bay Centre」からビクトリア大学までだと、午前2時過ぎが最終のバスです。
私が留学をしていた時は、ダウンタウンのクラブなどで遊ぶ際には終バスを逃さないように友人と声をかけ合っていました。
まとめ
ビクトリアのバス(BC Transit)は、ビクトリアでの生活を支える大切なインフラです。
この記事で解説した情報を活用し、ビクトリアでのバス移動を快適なものにしてくださいね。
カナダ・ビクトリアのバスに関するよくある質問
- Qビクトリアのバスのワンデーパス(1日券)を最も簡単に購入する方法は何でしょうか?
- A
最も簡単な方法は、Umoアプリやカードで運賃を支払う方法です。
Umoのキャッシュ残高を利用し、1日のうちに2回乗車すると、自動的にその日の運賃がデイパス($6.00)の上限に切り替わります。
- QUmoアプリやカードを使うと、ビクトリアのバス運賃は現金払いよりも安くなりますか?
- A
単価自体は安くなりませんが、Umoを利用することで結果的に運賃がお得になる場合があります。
1回乗車の料金は、現金でもUmo(Cash Balance)でも$3.00で変わりません。
しかし、Umoを利用すると、1日の運賃が自動的にデイパスの$6.00に上限設定されるため、1日で3回以上乗車する場合はお得になります。
現金払いの場合、デイパスの購入を申告しないと3回分の$9.00を支払うことになってしまいます。
- Qビクトリアのバスで、大きなスーツケースやバックパックなどの荷物は持ち込めますか?
- A
基本的に持ち込み可能ですが、他の乗客の迷惑にならないよう配慮が必要です。
日本でバスに乗る時同様、大きな荷物は、座席の通路を塞がないように、ご自身の足元や膝の上に置くのがマナーです。
特に混雑している時間帯は、運転手さんの判断で、乗車を断られる場合もありますので、極力ラッシュアワーを避けるのが賢明です。






